
「頭を高くして眠る」ことの効果

特性マットレスや硬い床以外にも、睡眠をハックする方法はあります。
アマン=ジェンソン博士は、野生の動物も家畜も、頭を少し高くして眠るという自然な好みがあると指摘します。
博士は睡眠のプロセスに、重力が果たす役割を研究しました。
人間が起きているとき、頭は心臓の上にあって、血液は重力に逆らって心臓から脳へと流れ込みます。
しかし寝ているときは、脳と心臓が同じ高さになり、脳に向かう血行への重力の影響がなくなるので、頭蓋内圧が上昇します。
アマン=ジェンソン博士は、この圧力は就寝中ずっと上昇し続け、脳室とニューロンに余分な体液を蓄積させると考えています。
博士によると、これが脳浮腫を起こす原因だそうです。
水平に寝ることは脳の膨張に加えて、目・耳・顔・副鼻腔・歯茎にも持続的に圧力をかけます。
頭全体が、頭蓋骨にかかる圧力によって酷使されるのです。
実際、人間の生理に重力が及ぼす影響に関しては、すでに宇宙医学の分野で膨大な研究が行われています。
宇宙飛行士はしばしばバイオハッキングの最先端にいます。
飛行士たちは宇宙で、頭に過剰な体液がある状態を経験して、頭蓋内圧の上昇とともに偏頭痛・緑内障・メニエール病、そのほか多数の症状を発生させます。
それが示唆しているのは、健康的な眠りを得るためには重力の助けが必要であって、野生動物のように頭を心臓より高くして眠るべきだということです。
睡眠中の血流とアルツハイマー病の関係

医学人類学者シドニー・ロス・シンガー博士は、頭を傾けて寝ることが偏頭痛患者にどんな効果をもたらすかを研究しました。
100人の偏頭痛患者に、頭を10〜30度高くして眠らせました。
患者の大多数は数晩で症状が改善され、それ以外にも効果を感じた患者も多かったのです。
十分に休んだ感覚があり、鼻づまりの症状が減りました。
アマン=ジェンソン博士の観察によれば、頭を高くした睡眠は偏頭痛と鼻づまりの緩和に加えて、血圧を下げ、水分の滞留を減らして静脈瘤を軽減し、アルツハイマー病を予防する可能性もあるそうです。
アルツハイマー病の一因として、脳鬱血と頭部への圧力過剰を挙げている研究者もいます。
アルツハイマー病患者の脳室はしばしば膨張していて、脳室に加わる慢性的圧力と脳の損傷に相関関係があることを示しています。
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頭痛・慢性の鬱血・睡眠時無呼吸を患っている人にとっては、睡眠は詳しく調べる価値のある分野です。
ベッドの頭部の下に木のブロックを置くだけで効果があるならば、タダみたいなものです。
著者はここ数年、寝るときは頭を傾け、あつらえたマウスピースを装着し、睡眠トレース装置を使い、光を遮断して真っ暗にし、さらにその他の睡眠ハックを活用しながら眠っているそうです。
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自分に効果のある睡眠改善法を見つけるのは、自分自身と愛する人、貢献したいと願っている人びとに対する義務です。
睡眠の全体的な質を大きく改善させ、願わくば長生きをし、パフォーマンスを向上させるべきです。
睡眠ハックのいちばん良い点は、努力し続けなくていいことです。
何かを買うなり導入するなり、1回キリのシンプルな変更で事足りるのは有り難いことです。
次回予告

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