
動きの世界のもう一人のリーダーは、B・J・ベイカーです。
ボストン・レッドソックスの初代ストレングスおよびコンディショニング担当トレーナーで、ほぼあらゆるスポーツのプロ選手のトレーニング・調整・栄養相談・リハビリに関わっています。
B・Jもケリーの見立て同様、1日に6〜8時間座ったら、1〜2時間のワークアウトが帳消しになると言っています。
B・Jは機能的動作評価を患者に行い、どの動きが可か不可かを定量化しています。
子供を調べることもありますが、たとえば8歳という元気盛りの年齢で、スクワットのような単純な動作ができない子供が少なくありません。
たいした力もいらない基本的な動きができないことに、子供たち自身がショックを受けます。
でも、そうした動きに必要なのは、強さではなく、関節の安定性と可動性です。
それが、1日のほとんどを座って過ごす小さな子供には欠けているのです。
繰り返しになりますが、座っている時間を減らして正しい動きを練習すれば、この能力は回復させることができます。
内臓疾患にも好影響は及ぶ

患者の多くは、適切な動きを身につけるだけで素晴らしく回復します。
一例として、B・Jはビルという患者の話をしました。
ビルは、高コレステロールでスタチンを投与され、血圧降下剤を飲んでいました。
18kgも適正体重をオーバーし、姿勢がひどく悪かったのです。
それどころか、猫背が丸まっているせいで身長が5cmも縮んでいました。
B・Jはビルの動きを正し、姿勢に働きかけ、食事を少し変えさせました。
それだけで8ヶ月後、薬を両方ともやめることができ、18kg痩せ、4cm近く身長が戻りました。
必要だったのは、姿勢と体幹の強さの改善と、筋組織の再建でした。
それによってビルは、20年間の悪習慣を帳消しにできたのです。
痛みは我慢するものではなく消すべきもの

著者は、身体を動かせばどこかに痛みを感じるのは当然だと思っていました。
痛みをこらえて競技レベルのサッカーを13年間続け、辛くないときが無いほどでした。
でも、経験豊富な先生の指導を受けながら週に数回のヨガを5年間続け、動き方のちょっとしたコツを覚えたら、痛みはほとんど消え去り、絶えることのなかった怪我もしなくなりました。
ヨガは柔軟性を向上させ、特定の筋肉を活性化させるのには適していますが、効果的な歩き方、座り方、動き方を学ぶための最高の方法というわけではありません。
ヨガで改善を果たしたあとで、著者はさらに機能的動作の専門家の指導を受け、座り方・動き方・歩き方を微調整してもらい、さらに高度な自由な動きを実感することができたのです。
身体を正しく動かすことを習ったら、誰でも同じ結果を得ることができます。
走る・泳ぐ・物を持ち上げる・足を上げて爪先を後頭部につける・踊る・・・・。
なんであれ、正しいフォームですることは、ゲームチェンジの能力を改善します。
次回予告

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