
人間の身体には「飽和脂肪酸」が必要

ニーナ・テイコルツは、調査報道ジャーナリストで、「ニューヨークタイムズ」「ニューヨーカー」「エコノミスト」といったメディアに登場し、ニューヨークタイムズ・ベストセラーの『脂肪のびっくり ーなぜバター・肉・チーズは健康食品なのか』の著者でもあります。
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アメリカ心臓協会(AHA)は、1940年頃には活気のない、心臓学者たちの小さな集まりでした。
当時はハインツ・ベストフーズ・スタンダードフーズといった食品メーカーが、規模と影響力を増大させていました。
1948年、プロクター&ギャンブルがある選考を行ってAHAを受益者とすることを決めました。
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一夜にして約200万ドルが協会の金庫に入りました。
研究費用を得たAHAは突如、アメリカ各地に支部を開設し、今日の影響力と権威を身につけ始めました。
1961年には初の栄養ガイドラインを発表し、アメリカ人の食事は飽和脂肪酸から植物油を含む不飽和脂肪酸に切り替えるべきだと示唆しました。
偶然にも、固体化した植物油であるショートニング「クリスコ」はプロクター&ギャンブルの主力商品でした。
悪い油と良い油

けれど、人間の身体と脳には飽和脂肪酸が必要です。
この種の脂肪は唯一、高密度リポ蛋白質コレステロールを増大させるもので、ホルモンの原料であり、最も安定したタイプの脂質です。
酸素に反応しかねない余計な二重結合をしないので、温室で個体なのです。
つまり、熱したときに有毒な酸化した副産物を生成しないということです。
それにひきかえ、植物油は多価不飽和脂肪酸であって、酸素に反応しうる二重結合が多いのです。
高温に、はるかに反応しやすく、特に長時間さらされるときがそうです。
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食品業界は「トランス脂肪酸」の開発によって問題を解決しようとしました。
植物油を固める際にできる副産物ですが、これを安定させて飽和脂肪酸に似せたのです。
マクドナルドなどの企業はフライドポテトを動物性飽和脂肪酸で揚げていましたが、コスト削減のためにその使用をやめて、固体化した植物油を導入しました。
その脂肪酸の有害性が指摘され始めた2007年には、レストランはそれを通常の植物油に切り替えていました。
植物油が危険なのは、加熱した植物油は炎症を生じさせやすいだけでなく、不安定で火事を起こしかねないところです。
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主要なファストフード・チェーンがフライに使う油を植物油に変えて以来、深刻な問題になっています。
あらゆる滓や老廃物が壁にへばりついて、排水管が詰まるんだそうです。
また、植物油が染み込んだ制服を洗濯するためにトラックの後部に入れると、自然発火してしまった事例もあるそうです。
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室温で個体で安定していて、酸化しない、素晴らしい調理用油脂が、飽和脂肪酸です。
そして、おばあちゃんが調理するときに使っていたのは、たぶんラードやバターです。
どちらもヘルシーで美味しく、キッチンに煙を充満させず、大昔から西洋文明で使われてきました。
おばあちゃんは、僕たちが思っているより賢かったと言えます。
次回予告

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