
共感性は強いけれど危うい

プッティー
ほんで、もうひとつの才能「共感性」が、実はいちばん厄介や。今の世の中は「共感されるものが強い」ゆうのん聞いたことないか?
たしかに、SNSでは共感がいちばん重要と言われます。共感されるコンテンツが強いって。

てつ

プッティー
せや。たとえば、スーパーモデルよりも、もうちょっと身近で親近感の湧くアイドルのほうが世の中を動かせるってな。せやから、「共感されるものは強い」と。でも、それな、実は大嘘でもあるんやで。
大嘘?

てつ

プッティー
せや。正確には「共感されるものは強い」。でも、「共感による意思決定は危うい」からや。せやから、組織の意思決定に「共感性」を入れるのはかなり慎重にしたほうがいい。
共感性で意思決定してはいけない・・・?

てつ

プッティー
ええか、共感性は多数決の世界や。つまり、皆が良いと言っているものが良いし、悪いと言っているものは悪い。こういう世界や。思い当たる節ないか?
たしかにこれまで、会社や学校で空気感によって評価が決まる光景を、嫌というほど見てきた。
あります・・・。

てつ

プッティー
そもそも、説明能力というのは、行き着くところ、目的に基づいた理論と、多数決しかないんや。誰かが新しいことをやったり、組織が新しいことを始めるとき、「なぜ、それをするんですか?」という質問が出ることがある。これに筋を通すには、本質的に2つの方法論しかない。
2つ?

てつ

プッティー
せや。1つ目が、いわゆる「理屈」。なぜ良いかを説明すること。再現性の世界や。これは勉強してきた秀才が得意や。もうひとつが「共感」や。「皆がやっているからやる」や。いわゆる、流行りに乗っかるというやつやな。これは皆の気持ちがわかる、凡人が得意や。そして、流行っていること、それ自体が、実は説明能力が高いんや。
・・・どういうことだろうか?

プッティー
わかりやすく言うと、「皆が良いと信じていること」っちゅうのは、実はそれだけで破壊的なパワーがある。ほんで、半分ぐらいは、そこに理屈は実はないんや。つまり、「よくよく考えると理屈はないけど、皆が信じているもの」には極めて強いパワーがあるってことや。
でも、理屈はないけど、流行っている。そんなことってあるんですか?すべてのヒット作には理屈があるような気がするのですが。

てつ

プッティー
ちゃう。せやな、わかりやすいのは「ジャンケン」やろな。
じゃ、ジャンケン!?グー・チョキ・パーの?

てつ

プッティー
せや。ジャンケンって不思議やないか?
なんでですか?

てつ

プッティー
幼稚園児から、お年寄りまで、全員知ってる。皆が参加できる。せやけど、なんでグーよりパーが強いのか。パーよりチョキのほうが強いのか。それは単純に「ルールで決められていて、そのルールを皆が知っているから」というのが大きい。いちいち説明する必要ないからな。
たしかに。だからこそ、とても「楽」です。

てつ

プッティー
せや。これが共感性の凄さなんや。一度広がった「当然のもの」は、破壊的に広がっていく。これは、ビジネスも同じや。1000万人が知っている、使っている。それはな、それだけで凄まじい価値があるんや。ただこれが、天才や、特に秀才は、気にくわへんねん。ロジックがないように見えるからな。
・・・共感性だけで決められたものは、ロジックがないこともある。

てつ

プッティー
これが「空気感」の正体や。つまり、空気感というのは、「皆が知っていること」から来る影響力や。そしてこの「空気感」は、組織や国を殺すことさえある。
空気感が、組織を殺す?

てつ

プッティー
イメージで言うと、「官僚VS国民」「エリートVS一般市民」の戦いやな。エリートからすると「正しい政策」を言うたとしても、一般市民の感情を一度逆撫ですると、数で負ける。なぜなら、「多くの人が信じている」ということだけでパワーがあるからな。
たしかに、どれだけ正論を言っても、一度世論から反対されると、その流れは止まらない。
そんなことはよくあるのだろう。

プッティー
そんで、これが秀才と凡人が戦う理由やな、だいたい。なんでか言うたら、自分は頭が良いと勘違いしてるやつほど、「皆が良いと言っているもの」にケチをつけようとするんや。
どういうことですか?

てつ

プッティー
たしかに世の中には「売れているけど、全然あかんもん」も存在する。この事実は、特に秀才には信じがたい。理解でけへん。ストレートに言うと、アホな奴らが騙されてるように見えるんや。秀才はな、こういうのがいっちゃん嫌いや。でもな、何度も言うけどこれは違う。売れてるもんは、売れてるっちゅうだけで、その価値を証明できてるんや。
「皆が信じていること」
それはそれだけで価値がある。
貨幣もまさにそうだろうか。
次回
【1ー12】天才は見えないものが見える。