
我が国の100歳以上の高齢者は、目を見張る勢いで増えています。
1963年に老人福祉法が制定されましたが、その年には100歳以上の方が153人でした。
それが1981年には1,000人を超え、1998年10,000人超、2012年50,000人超となり、2022年には90,000人を超えたのです。
正確にいうと、2022年9月1日現在、百寿者は、前年より4,016人増えて90,526人。
うち、女性が89%を占める80,161人、男性10,365人となっています。
ところで、100歳以上の方を「センテナリアン」、110歳以上の方を「スーパーセンテナリアン」と言うそうです。
2016年当時112歳だった、Gさん。
Gさんは、1903年9月1日、新潟県中頸城郡高田町生まれ。
この年は、12月17日にライト兄弟が初飛行の快挙を成し、翌年2月には日露戦争が勃発するという歴史的なエポックを迎えています。
彼女は20歳で鉱山技師だった夫と結婚しますが、その夫を38歳のときに亡くし、以後、戦中戦後を一男一女とともに生き抜きました。
ところで、Gさんはなぜスーパーセンテナリアンになり得たのか?
先に長生きは「遺伝子が3割、環境が7割」が影響すると説明しています。
ということは、彼女の場合、3割は遺伝子の力としても、7割はどんな生活環境だったのだろうと推測してみたくなります。
そこで気がついたのは、Gさんが齢73歳にして初めて絵筆を取ったことです。
それも、生半なものではありません。
精進を重ね、99歳まで百号の大作を描き続けました。
しかも、82歳で「現代童画展新人賞」、96歳で「現代童画展文部大臣奨励賞」を受賞。
また、100歳を超えてからは、百人一首暗唱や習字・詩吟・カルタに挑戦。
112歳で全国カルタ協会より初段を授与されています。
また、107歳でニューヨーク旅行を成し遂げ、108歳で「ニューエルダーシチズン大賞」を最高齢で受賞したのです。
彼女は2015年に『111歳、いつでも今から』を上梓しました。
本書の中でGさんは「できるかできないかではなく、やるかやらないかね」と語っています。
当たり前のようで、その当たり前ができないのが人間の弱さです。
ですが、彼女は強い意志のもとでそれを克服したのでしょう。
高齢者の健康の秘訣に「生きがい」があります。
Gさんはその生きがいを見つけました。
これが「生活環境7割」のひとつだったことは疑いようもありません。
それともうひとつが、「笑顔」でしょう。
Gさんは人と会うときはいつも微笑んでいたそうです。
「自分が笑顔でいれば、相手も必ず笑顔になり、みんなが幸せな気分になる」というのです。
どうやら生活環境での長生きの秘訣だったのは、「生きがい」と「笑顔で自分も他人も幸せ」という、至極当然でありながら、まことにもって難しい生き方を完遂させたからでしょう。
さて、現在の日本のスーパーセンテナリアンは、女性137人・男性9人で、合計146人。
この方たちが、どんな人生を歩んできたかも、興味深いところです。
