
音は耳から聞こえています。
ご承知のように、耳の聞こえが悪くなることを「難聴」といいますね。
果たして、それは老化のせいなのでしょうか?
耳は、外耳・中耳・内耳で構成されています。
難聴は2つに分かれていて、外耳や中耳に問題があった場合の難聴は「伝音難聴」、内耳かそれより奥に問題があった場合の難聴は「感音難聴」と呼ばれます。
では、老化によって難聴は起きるのか?
答えは「起きる」です。
そんな老化で起こる加齢性難聴は、感音難聴です。
内耳には蝸牛という、聞こえを担当する器官があります。
カタツムリの殻のような形をしているために、蝸牛というわけです。
このカタツムリの殻の入口側から奥のほうへ向かって、高い音から低い音を担当する毛の生えた細胞が、ピアノの鍵盤のように順番に並んでいます。
有毛細胞には、音の感知や増幅するなどの働きがあるのですが、老化によって細胞の数が減ったり毛が抜けたりして、徐々に機能が低下していきます。
また、内耳と脳を繋ぐ神経や脳の働きに変化が起こることも、加齢性難聴に関連します。
加齢性難聴は、主に高い音から進んでいくために、日本語では最初に「か行・さ行・は行」などの音から聞こえづらくなります。
その反面、母音である「あいうえお」は低い音なので、比較的聞こえやすいままなのです。
難聴が進むと、様々な要因により、「音は聞こえるけれど、何を言っているかわからない」という問題も起こります。
加齢性難聴は、軽いものも含めると、65歳以上の約3割、75歳以上の約半分、85歳以上の約8割に起こっています。
より高齢であること・騒音・男性・喫煙・糖尿病・動脈硬化などにより、加齢性難聴が起こりやすくなります。
今のところ、不老不死を実現した人はいません。
そうすると、程度や進み具合に個人差があっても、残念ながら加齢性難聴は、ほとんどの人に起こります。
難聴が進んでくると、周りの人とのコミュニケーションが難しくなりがちです。
そうすると、人とあまり会話しなくなってしまい、孤独を感じる方が増えたり、落ち込んだりします。
また、人との会話がなく孤独になると、最近では認知症になりやすいとも言われています。
そのうえ、たとえば車の音がよく聞こえなければ、事故の恐れもあるわけです。
加齢性難聴は、家族や友人など周りの人が気づいていたにしろ、本人はあまり自覚していなかったり、自覚することを拒む方もおられます。
自分自身の老化現象を認めるのは、尊厳にも関わるために、なかなか難しいかもしれません。
加齢性難聴に対しては、幸い補聴器などである程度対応できるので、利用したほうがQOLを保つことができるでしょう。
また、歳を重ねたための加齢性難聴ではなく、もしかすると、難聴を引き起こす病気が隠れていたのかもしれません。
難聴を自覚したのなら、とにかく「歳だから仕方ない」と諦めずに、人とのより良いコミュニケーションを取るためにも、認知症を防ぐためにも、億劫がらずに、耳鼻咽喉科で相談することをオススメします。
