
「光」で睡眠パターンを調節する

ブルース博士とウィザー博士は、自然のリズムを乱して本来のクロノタイプにとどまるのを邪魔する攪乱要因がある、と警告しています。
それは、「光」です。
クロノタイプは遺伝子に基づいていますが、光にさらされることに敏感です。
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サチン・パンダ博士は、サンディエゴのソーク生物学研究所の研究者です。
博士によると、サーカディアン・リズムを整えてくれる、目の中にある特別な光センサー細胞(メラノプシン)というのがあり、この光センサーが、光の周波数を感知して時間帯を判定し、それに基づいてホルモンを放出するよう身体にメッセージを送ります。
興味深いことに、目の不自由な人も、光を浴びてこの反応を引き起こすそうです。
パンダ博士は、身体の中枢タイミング・システムを制御する遺伝子を1個特定し、食事と睡眠を同調させる2個1組の遺伝子を発見しました。
博士によると、目の中のセンサーはフルスペクトルの光(たとえば昇ってくる朝日)にさらされると、身体に目覚める準備をさせるシグナルを送りますし、暗くなったときには身体に寝る時間だと伝えるシグナルを送ります。
これは、夜に寝室を完全に暗くすることが重要であるひとつの理由です。
目の光センサーが夜に人工光をわずかでも感じたら、メラトニンの生成を遅らせることで睡眠パターンを乱しかねません。
言い換えれば、寝る時間になったというシグナルを身体が受信しなくなるのです。
寝る前に身体が期待するシグナルのひとつは赤色光です。
このスペクトルが、日没に生じるからです。
このスペクトルを身体にさらすことは、皮膚の状態が改善したり、治癒が早まったり、眠りが深まるといった副次効果が期待できます。
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さらに重要なのは、夜は「ブルーライト」を確実に避けることです。
目にある光センサーは、この光周波数にとりわけ敏感です。
寝る前にこれを受けると、それがたとえLEDの光療法装置であっても、睡眠の質が損なわれてしまいます。
日中に「太陽光」を浴びることで夜よく眠れるカラクリ

シンプルな工夫としては、黒い遮光テープで寝室の光源をすっかり覆うことで真っ暗にするという方法があります。
日中に適度に太陽光を浴びることも大切です。
日に照らされると、身体が「幸せホルモン」として知られる神経伝達物質のセロトニンを生成します。
このセロトニンが分解されて、睡眠を助けるホルモンであるメラトニンを生成します。
日中に十分な自然の太陽光を浴びなかったら、夜ぐっすり眠るのに十分なメラトニンを生成できません。
これでは、たとえ自分のクロノタイプにとって理想的なスケジュールに従っていても、サーカディアン・リズムが台無しにされます。
オフィスの窓・車の窓・コンタクトレンズ・サングラスも、体内時計の制御に必要不可欠なスペクトルの光をブロックしてしまうので、毎日数回、短くても1回に数分は外に出ることが肝要です。
次回予告

HACK18▶︎「睡眠の質」を上げるハックを実行する