本要約 鍼灸接骨院

【1ー8】天才が会社を去るとき。シュートの覚悟。

天才が会社を去るとき。シュートの覚悟。

「僕の覚悟」

経営会議を会議室の後ろで聞いていた僕は、その言葉に含まれた意味を考えざるを得なかった。

足が動いた。

てつ
シュートさん。

会議の後、僕は鹿島修人に声をかけた。

創業期メンバーの特権だろうか?

僕はカジュアルに社長に話しかけることができる。

どうした?
鹿島修人
てつ
今回もし失敗したら、社長の座を退こうと思っている・・・・それは、やっぱり本気なんですか?
もちろん、本気だよ。
鹿島修人
てつ
でも、いいんですか?

僕は続けた。

てつ
だって、この会社は、シュートさんがつくった会社ですよ・・・。本当にいいんですか?

彼は、6秒黙り、こう言った。

いいわけないだろ。
鹿島修人

え?

僕は耳を疑った。

10年の付き合いの中でも、こんな姿、見たことがない。

そう思えるぐらい、初めて聞く語気の弱さだった。

彼は続けた。

この15年、すべてをかけてつくってきた会社を手放す。それが悔しくないと思うか?
鹿島修人

人生のすべてをかけてつくってきた会社を手放すこと。

その断腸の思いは、ビジネスに携わる者なら誰でも理解できる。

彼は言った。

でもな、僕はこの2年ずっと考えてきた。そしてようやく思えるようになった。この会社は今、次のフェーズに進もうとしているのかもしれない、と。
鹿島修人
てつ
次のフェーズ・・・・?
今の会社は、僕みたいな経営者を求めていない。むしろ、梁のような堅実な経営者を求めている。これは会社が次のフェーズに行こうとしているということかもしれない、と思うことがある。
鹿島修人

そう言うと、彼の目が一瞬潤んだように見えた。

圧倒的な才能を持ち、自分への確信が揺らいだことのなかったシュートが、初めて自身の才能を疑い始めている。

僕にはそう見えた。

発したい言葉は山ほどあった。

でも、言えなかった。

だけどな、てつ、お前は残れ。
鹿島修人
てつ
え?
もしそうなっても、お前は会社に残るんだ。それだけは僕から役員に確約させる。
鹿島修人
てつ
え・・・・。
てつ、お前だけは最初から最後まで、僕のことをずっと信じてくれた。だから何があってもお前だけはクビにさせない。絶対に。
鹿島修人
てつ
でも・・・・
でも、じゃない。この約束は必ず守る。
鹿島修人
てつ
・・・・。
わかったな?
鹿島修人

違う。

僕が今の会社にいるのは、社長がいるからだ。

だから、あなたのいない会社なんて、いる必要がない。

そう言えたら良かった。

でも、僕には伝える勇気がなかった。

僕は下を向いた。

おい、無視するな。わかったな?
鹿島修人
てつ
はい。

僕はシュートを見た。

できる限り、いつもの表情で言った。

てつ
ありがとうございます。

シュートは笑顔に変わり、「よし。」とだけ言い、去った。

シュートのいない会社・・・?

想像できない。

それぐらい僕は、彼の才能に惚れ込んでいたのだ。

次回

【1ー9】シュートとの出会い。

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