
痰や咳がのべつ出る症状として、まず考えるべきは肺の疾患です。
注意すべきなのは、痰そのものの増加や粘液線毛クリアランスが低下する場合です。
痰が絡むとか咳の訴えは、気管支喘息・肺気腫・慢性気管支炎からなる慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患で多く聞かれる症状なんですね。
特に気管支喘息の患者さんでは、喉に痰があって異物感があると訴える患者さんが多いですよね。
どうも喉に炎症が起こりやすい印象があります。
このような喉の炎症を、慢性上咽頭炎として治療している医師もいます。
耳鼻咽喉科の先生は、喉に痰があるとの訴えがあると、鼻からの後鼻漏で症状を説明している方もいますが、それ以外にも痰は肺から移動するものです。
この移動を、粘液線毛クリアランスといいます。
痰の素は気道の粘膜下腺や杯細胞から分泌される粘液で、M3ムスカリンアセチルコリン受容体を介して起こります。
ムスカリン受容体の活性化は気道の炎症刺激で促進し、杯細胞過形成・粘液腺肥大・杯細胞の分泌を誘発します。
つまり、気道の慢性炎症が痰の増加を誘引するんです。
ムスカリンアセチルコリン受容体の遮断は、粘液産生の減少を引き起こしますが、β2-アドレナリン受容体の刺激は、粘液線毛クリアランスを増加させることになります。
もうひとつ、加齢で関連する病態には、咳払いする力や痰を飲み込む嚥下機能の低下があります。
これは、老化現象として起こるものです。
嚥下機能の低下は、誤嚥性肺炎の発症にも関連してきます。
